論点思考

論点思考
内田 和成
論点思考
定価: ¥ 1,680
販売価格: ¥ 1,680
人気ランキング: 143位
おすすめ度:
発売日: 2010-01-29
発売元: 東洋経済新報社
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解くべき問題をいかに正しく設定するかを平易に解説した良書。
 解くべき問題をいかに正しく設定するか、を平易に解説した良書です。想定されている読者はビジネスパーソンですが、若手研究者や大学院生にもお勧めです。

 解くべき問題が正しく設定することは、あらゆる問題解決の場面で決定的に重要です。間違った問題に取り組んでしまうと、正しい方法で解いたとしても、問題の再設定を余儀なくされるからです。解くべき問題を定義する過程が本書のいう「論点思考」で、問題解決の最上流に位置します。論点思考がいかに重要かはお分かり頂けると思います。以下、印象に残った個所を抜粋します。

 ・「ベテランは「本当の論点はなにか」を考える。初心者はインプットと構造化を繰り返す(P.47)」…無目的なデータマイニングから論文になるテーマが得られることは稀で、予め問題意識を持ってデータを解析するから、論文として成立し得る結果が得られるのです。

 ・「1.解決できるか、できないか。2.解決できるとして実行可能(容易)か。3.解決したらどれだけの効果があるか(P.89-90)」…ビジネスと違い、研究では問題を解決する技術の開発も仕事のうちですが、開発中の技術がどの程度の効果を持ち得るかを常に意識する必要があります。扱っているより大きな研究テーマの中で、その技術の寄与範囲が限定的ならば、投入する労力と時間はより重要な部分に振り分ける方が研究を推進するうえで効果的ですし、インパクトの大きな論文が書けます。

 ・「シャチは何類かと問いかければ迷わない(P.220)」…「シャチはどんな生物か」という問いでは、「海に住んでいる」、「獰猛である」などと考える方向の焦点が定まりません。しかし、「何類か」と問えば、考える方向性が特定され、迷わなくなります。「シャチは魚か哺乳類か」と問われれば、より迷いは少なくなるでしょう。部下への仕事の頼み方という点で非常に参考になりました。


マネジメント層と政策立案者こそ論点思考を
ビジネスパーソンとして戦略コンサルタントといわゆる"実業"の両方の経験を経て感じるのは、"実業"における論点思考の大切さである。著者はどちらも同じ程度に重きを置いているが、実業においては、おそらく仮説思考よりもこちらの論点思考の方がより重要と考える。

ありがちな悪いパターンが、1.いきなりトップから打ち手だけが出され、それを唯々諾々と下の人たちが(なんか変だなと内心思っていても)従っていく、2.間違った論点に基き色んな打ち手が検証されないままどんどん実施されていく

かくのごとく、ビジネスパーソンの生産性を考える時、特にマネジメント層が論点思考ができないと、組織全体で膨大な無駄な労力を費やすことになる。その意味で、本書は比較的ジュニアレベルの人向けの書きぶりにはなっているが、実は大きい組織のマネジメント層、そして政策立案者(政治家と官僚)の人たちこそもう一度虚心坦懐に読んで欲しい。

論点思考は、戦略思考の出発点!!
まず 感銘を受けたのは、帯に書かれていた言葉「ビジネスにおいて本当に大事なことは、…」という行です。
著者のおっしゃる通り、我々は日々問題を抱え、それを解決する為に、経営資源(ヒト・モノ・カネ・ジョウホウ)を投下し、解決にあたっているのですが、それが本来の論点から外れていたり、また解決しても意味がなかったりする事が多々縷々有ります。
その上で「どの論点を捨て、どの論点を選ぶか。」を判断すること、「限られた工数の中で問題を抽出し、解いて成果を上げる。」こと。このことは、ビジネスを進めるうえでは、とても大切な事であると分かっているのですが、なかなか出来ない事でした。
しかし、本書を拝読させて頂く中で、それを行う事が如何に大切であり、そして右脳(直観)と左脳(理論)を活用しながらどの様に実行すれば良いのかが改めて理解できました。


また 今まで「論点(Issue)」という言葉の本当の意味を理解せず使っていたのですが、「大論点を意識しつつ、中論点・小論点を把握する事」、また「誰の問題を解くか、誰を満足させる問題を解く事」という「論点(Issue)」の本当の意味を理解する事により、真の意味での問題解決に繋がらなかった訳、そして時間がかっていた訳が本書を拝読させて頂く中で理解が出来ました。
本当に大切なことは、難問をクリアすることではなく、仕事で成果を出すことであり、その為には、「長期的、大局的、広域的」な視点を持つこと。
そして 簡単に解け、容易に実行でき、実行すると大きな効果が短時間で表われる論点を見つけ出す事が大切となること。
そのためには、かなりの確率で答えが出そうな論点を選ぶ事が必須条件となり、その解決策を実行したら、企業として成果があがしそうなものを選択する事が大切であるという、「論点思考」の根本を理解することにより、今まで自らの思考を深堀してこなかった為に如何に問題解決までに無理・無駄があった事に気づかされました。

その中で、著者は 日常の些細に思える仕事の中にも、必ず問題解決のヘソとなる論点は存在し、論点思考の抽出というのは経験がものをいうから、若いうちから論点、それも最も重要な大論点を見つけだす訓練をする事の重要性を説かれ。
また オーナーシップやものの見方・考え方を持つ事により、中長期的に視点が身に付き自らを成長させる。という事を説いて下さっているので、我々 若きビジネスパーソンには良い刺激となり、また勇気とやる気をださせて下さる内容でした。

「論点思考」の方法論もさる事ながら、ビジネスパーソンとしての生き方・取り組み方にまで言及されているところに感銘を受け、また「論点思考」と「仮説思考」この二軸を持って日々のビジネスに対峙して行けば未来においてより大きな成果が出せる!という思いを本書を拝読させて頂く中で抱く事が出来ました。

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